芸能界は一見きらびやかな世界に見えますが、その裏側には表に出ない強大な影響力を持つ人物たちが存在しています。
その中でも芸能界の本当のボスと呼ばれる存在は、単に有名な芸能人や大手事務所の代表といった枠を超え、メディアや政治、業界団体との太い繋がりを背景に、日本の芸能界を実質的に動かしてきたキーパーソンたちです。
この記事では芸能界の本当のボスとされる4人のドンの正体を明らかにしつつ、芸能界トップには誰が君臨しているのか、また芸能人権力ランキングの最新動向、芸能界の闇が深いとされる背景についても詳しく解説していきます。
さらに、バーニングプロダクションや田辺エージェンシー、吉本興業、アミューズ、エイベックスといった主要芸能事務所がどのような立ち位置にあるのかも掘り下げます。
芸能界の本当のボスを知ることは、業界の裏構造を理解する上で重要な視点となります。
目に見える人気や露出の裏にある力の構図を知ることで、芸能界の実態がより立体的に見えてくるはずです。
◆記事のポイント
・芸能界の本当のボスが誰なのかがわかる
・4人のドンの影響力や背景が理解できる
・大手芸能事務所の勢力図が見えてくる
・芸能界の闇や圧力構造について学べる
芸能界の本当のボスは誰なのか
- 芸能界のドン・4人の正体とは
- 芸能界トップには誰が君臨する?
- 芸能人の権力ランキング最新版
- 芸能界 闇が深いとされる理由
- バーニングプロダクションの影響力
芸能界のドン・4人の正体とは
芸能界で「ドン」と呼ばれる人物たちは、単なる事務所の代表という枠を超え、業界全体に影響を及ぼす存在として知られています。中でも「4人のドン」と称される人物たちは、長年にわたりメディアやタレントの命運を握ってきたキーパーソンです。
その一人目とされているのが、バーニングプロダクションの創業者である周防郁雄さんです。彼は「芸能界の本当のボス」とも称され、業界団体である日本音楽事業者協会の中心人物でもありました。多くの関連事務所を束ねたバーニンググループを形成し、報道統制やスキャンダルの対応力に長けていたことで知られています。郷ひろみさんや内田有紀さんなど、多数の人気タレントがグループに関わっており、退任後もその影響力は一朝一夕には消えないといわれています。
二人目に挙げられるのが、田辺エージェンシーを築き上げた田邊昭知さんです。元はドラマーで、芸能界の裏方に転身後はタモリさんや堺雅人さんを売り出し、独自の人脈と影響力で業界内に地位を確立しました。彼もまた、日本音楽事業者協会の会長を務めた経歴を持ち、その人望の厚さから信頼を寄せる関係者が多いとされています。
三人目は吉本興業ホールディングスの岡本昭彦さんです。吉本興業は6000人を超える芸人を抱える巨大勢力であり、テレビ局とのパイプも太いことから、業界に与える影響は極めて大きいです。過去には「闇営業問題」で話題となりましたが、こうした騒動に際しても一定の制御力を持っていたことが注目されました。
四人目はホリプロ創業者の堀威夫さんです。すでに第一線を退いてはいるものの、ホリプロを非上場企業として再構築した手腕や、「スカウトキャラバン」を通じた人材発掘の仕組み作りなど、芸能界の構造に大きな影響を与えてきた人物として知られます。現在も名誉会長として一定の発言力を保持しているとされ、業界の要所にその影が残っているとも言われています。
このように、芸能界のドンと呼ばれる4人には、それぞれ独自の経歴や戦略がありました。彼らの共通点は、所属タレントだけでなく、メディア、業界団体、政治的パイプにまで影響を持っていた点にあります。そして、それゆえに「ドン」として名を馳せたわけです。
芸能界トップには誰が君臨する?
芸能界において「トップ」と呼ばれる存在は、必ずしも人気タレントの数やテレビ出演の多さだけで決まるわけではありません。むしろ、その業界全体に与える影響力、メディアとの関係性、スキャンダル処理能力、所属タレントのブランド力など、複数の要素を総合して見極められます。では、現在の芸能界でトップに君臨しているのは誰なのでしょうか。
実質的な影響力で最も名が挙がるのが、バーニングプロダクションの周防郁雄さんです。2023年に代表を退いたとはいえ、長年築き上げたバーニンググループのネットワークは強固で、今なお業界に強い影響を残しています。かつては報道機関ですら彼の怒りを買うことを恐れ、スキャンダルを回避する動きがあったとさえ言われていました。
もう一つの大きな勢力は、吉本興業ホールディングスです。特にテレビバラエティやお笑い分野では圧倒的な支配力を誇ります。岡本昭彦さんが代表に就いてからは、東京キー局との関係を強め、地上波の番組編成に影響を与えるレベルの立場を確立しました。芸人の数も圧倒的で、番組のキャスティングにおいて吉本との関係は避けて通れないとまで言われています。
また、アミューズやエイベックスといった上場企業も、音楽・俳優分野で強力な存在です。特にアミューズは福山雅治さんやサザンオールスターズなど、長寿ブランドを多数持っており、ライブ、配信、映画など多方面に影響を広げています。
さらに最近では、元ジャニーズ事務所がSTARTO ENTERTAINMENTとして再編されたことにより、新たなトップ候補としての注目も集まっています。性加害問題で大打撃を受けた旧ジャニーズですが、タレントのブランド力はいまだ健在で、今後の再構築次第では再び業界を牽引する存在となる可能性があります。
このように、芸能界の「トップ」は一人に絞ることは難しいものの、現時点で最も影響力を持つのは、バーニンググループと吉本興業の2大勢力だと言えそうです。そして、それぞれが得意とするジャンルや戦略を持ち、芸能界の複雑な勢力図を形作っているのです。
芸能人の権力ランキング最新版
芸能界における「権力」とは、単に知名度や人気の高さではなく、業界内での発言力、番組編成への影響、マスメディアとの繋がり、さらには他の芸能人や事務所への影響力など、複合的な要素で測られます。最近の動向を踏まえつつ、現時点で権力が強いとされる芸能人を挙げていきます。
最上位に位置づけられるのが、タモリさんです。彼は田辺エージェンシー所属であり、長年にわたり安定してテレビの第一線に立ち続けています。特に『タモリ倶楽部』や『ミュージックステーション』など、局を超えて信頼を集めてきた存在です。また、田辺エージェンシーの創業者・田邊昭知さんとの関係性も深く、裏方の意向とも連動した行動力を持っていることが権力の一因とされています。
次に影響力を誇るのが明石家さんまさんです。吉本興業に所属するさんまさんは、テレビ界における「番組成立請負人」ともいわれており、彼が出演する番組は視聴率に直結するとまで評されます。MCとしての技量も群を抜いており、共演者の人気を引き上げる効果すらあると評価されています。
さらに、嵐の櫻井翔さんや、俳優の福山雅治さん、星野源さんといった、複数分野にまたがって活動する人物も権力のある芸能人と見なされています。彼らは、個人の影響力のみならず、所属する事務所の営業力やマスメディアとの連携体制も後ろ盾にしています。たとえば櫻井翔さんは、旧ジャニーズ系の代表的存在として政治・報道番組でも一定の役割を果たしてきました。
また、近年急上昇しているのが、YouTubeやSNSで人気を得たインフルエンサー系タレントです。特に中町綾さんやフワちゃんさんのように、地上波とネットの両方で存在感を示すケースでは、若年層を中心に大きな影響力を持っています。ただし、ネット発のタレントは一過性の人気で終わる場合もあるため、継続的な地位維持は難易度が高めです。
このように、芸能人の「権力ランキング」は時代の流れと共に変化していきます。古くから不動の地位を築いている人もいれば、新たなメディア環境に乗じて急浮上する人も存在します。重要なのは、一つの軸ではなく、複数の要素を持ち合わせているかどうかだといえるでしょう。
芸能界 闇が深いとされる理由
芸能界が「闇が深い」と形容される背景には、複数の構造的な問題や歴史的な経緯が複雑に絡み合っています。華やかなイメージとは裏腹に、その舞台裏には一般には知られていない力関係や暗黙のルールが存在し、それらがしばしば問題視されてきました。
まず最もよく語られるのが、芸能事務所と反社会的勢力との過去の関係です。かつては地方興行や営業活動を行う際、地元の勢力と繋がりを持たなければ活動が難しかった時代がありました。演歌歌手の営業先に勢力関係者が関与していた事例もあり、これが事務所形成の原点になったともいわれています。このような過去の関係が完全には断ち切れていないと考えられていることから、「闇が深い」という印象を持たれやすいのです。
次に、報道機関との距離感も問題視される点です。たとえば大手事務所に所属するタレントの不祥事が、他の事務所と比べて小さく報じられたり、そもそも報道されなかったりする事例が多々見受けられます。これはメディアとのパイプや長年の接待文化などが背景にあるとされ、報道の中立性を疑問視する声にも繋がっています。
さらに、タレントと事務所の力関係にも課題があります。若手や無名の芸能人が、不利な契約条件のまま働かされたり、精神的に追い詰められる環境に置かれたりしたケースは、過去にもたびたび報じられてきました。最近では、SNSを通じて声を上げるタレントも増えていますが、事務所の意向に逆らえばテレビ出演が激減するという事例も少なくありません。
加えて、芸能界では「圧力」の存在が取り沙汰されることもあります。実際に、独立したタレントが干される、スキャンダルが過剰に報じられるといった噂も根強く存在します。こうした圧力構造があるとすれば、自由な活動が制限される環境が続いていることになります。
このように、芸能界の闇の深さは、単一の問題ではなく、構造的・歴史的・文化的な背景が複雑に絡み合って形成されています。見た目の華やかさだけでなく、その背後に潜む現実を理解することが、業界の透明性を高める第一歩といえるでしょう。
バーニングプロダクションの影響力
バーニングプロダクションは、日本の芸能界における「見えない支配者」とも称されるほどの影響力を長年にわたって保持してきた存在です。その中核を担ってきたのが創業者・周防郁雄さんであり、業界関係者の間では「芸能界のドン」とも呼ばれています。
もともとバーニングは、1970年代に設立された比較的小規模な芸能事務所から始まりました。しかし、実際の力はその規模をはるかに超えるもので、いくつもの系列事務所を傘下に持つ「バーニンググループ」として業界全体に影響を広げていきました。たとえば、プロダクション尾木やサンズエンタテインメント、ケイダッシュなどもこのグループの一部とされています。
このグループがなぜこれほどまでに力を持つようになったのか。それは、テレビ局や広告代理店、さらには報道機関に対する強力なコネクションを築いてきたからです。特に注目されるのは、スキャンダル対応の巧みさです。タレントに不祥事が起きた際、メディア側に一切の報道を控えさせたり、他の話題で上書きするような働きかけが行われたとする話も複数存在します。これにより「報道されない力」を持つ事務所として知られるようになりました。
その一例としてよく取り上げられるのが、北野誠さんが一時的に無期限謹慎処分となった出来事です。この背景には、周防さんに対する発言が関係していたのではという指摘があり、当時の報道の偏りからも、裏で何らかの調整があったのではないかと囁かれました。
さらに、所属タレントの移籍や降板にもバーニングの影響が及んでいるとの指摘は少なくありません。あるタレントがグループの意向に背いた場合、番組出演が急に減ったり、事実上の芸能界追放状態になるケースもあるとされます。このような構造は、業界にとっては暗黙の了解となっており、関係者が公に口を開くことはほとんどありません。
バーニングの影響力は、単に人材や番組編成にとどまりません。日本音楽事業者協会という業界団体を事実上主導していた時期もあり、業界全体の方向性すら左右するポジションを築いていたことも事実です。協会内での発言力が強かったため、他事務所の動向や新人の売り出し方にも関与していたとする見解もあります。
現在は周防さんが代表の座を長男に譲ったと報じられていますが、その背後には後継を巡る内部の対立や金銭問題もあったとされ、依然として目が離せない存在であることに変わりはありません。バーニングプロダクションは、表舞台よりも裏側で力を発揮する“影の実力者”として、今後も注目を集め続けることになりそうです。
芸能界の本当のボスとその勢力図
- 田辺エージェンシーの立ち位置
- 吉本興業の圧倒的な存在感
- アミューズと上場企業の強さ
- エイベックスと音楽業界の支配
- スターダストと新勢力の台頭
- 芸能界の独立リスクと圧力構造
田辺エージェンシーの立ち位置
田辺エージェンシーは、日本の芸能事務所の中でも独特な存在感を放つ事務所です。その影響力は、派手なメディア露出や所属タレントの数とは比例しませんが、業界内部での評価は非常に高く、実質的な「業界キーマン」とも言えるポジションを維持しています。長年トップに立っていた田邊昭知さんは、かつて自身がドラマーとして活動していた経験を活かし、芸能界の流れを見極める力を持つプロデューサー型の経営者でした。
この事務所が特に注目されるのは、タモリさんや堺雅人さんといった、いわゆる“実力派”と呼ばれる芸能人を数多く輩出している点です。派手さよりも質、話題性よりも長期的な信頼を重視して育成を行ってきた結果、テレビや映画、CMなどで安定した存在感を発揮するタレントが多く所属しています。また、芸能界内では、トラブルを起こさずコンプライアンスにも強い事務所としても知られています。
田辺エージェンシーの特徴の一つに、他事務所やテレビ局、広告代理店との関係性の深さがあります。たとえば、過去にSMAPの独立問題が浮上した際には、元メンバーの移籍先として真っ先に名前が挙がったのが田辺エージェンシーでした。この話が表に出たこと自体が、同事務所がいかに業界から信頼されているかを物語っています。
加えて、有吉弘行さんと夏目三久さんの交際・結婚報道の背景にも、田邊さんの存在が影響していたとされる一件も印象的です。当初は交際自体が“なかったこと”にされた報道が、数年後に結婚という形で落ち着いた背景には、マスコミとの緻密な調整や事務所間の交渉があったのではないかと見る関係者もいます。
このように、田辺エージェンシーは規模の大きさでは他に劣るものの、業界の中核に食い込むほどの人脈と信用を武器に、極めて安定したポジションを築いています。前述のように現在は菅原潤一さんが社長となっていますが、創業者の田邊さんは会長として依然として業界への影響力を持ち続けているといわれています。目立たずとも、裏側で「調整役」として機能し続けるこの事務所の存在は、芸能界において極めて貴重なものです。
吉本興業の圧倒的な存在感
吉本興業は、日本の芸能界において圧倒的なスケールと影響力を誇る大手プロダクションです。特にお笑いタレントのマネジメントにおいては群を抜いており、6,000人を超える芸人を抱える一大勢力となっています。関西にルーツを持つこの事務所は、長い歴史を通じて大阪のお笑い文化を全国に広め、バラエティ番組の礎を築いてきました。
この事務所の最大の強みは、タレントの数と多様性です。ダウンタウン、ナインティナイン、千原兄弟、明石家さんまさんといった国民的人気を誇る芸人を多数輩出し、テレビのバラエティ枠には欠かせない存在となっています。また、所属タレント同士のコラボレーションも盛んで、テレビ局が番組を企画する段階から吉本の人材を前提にキャスティングを行う例も少なくありません。
吉本興業はまた、テレビ業界との関係性においても特筆すべきものがあります。テレビ局と太いパイプを持つことで、制作側と連携した企画が実現しやすく、さらにはマネジメントだけでなく番組制作にも関与しているケースがあるとされています。たとえば、吉本が出資している制作会社が番組の現場を担っていることもあり、出演・制作の両面での関与が業界の支配力を高めています。
さらに、企業スキャンダルへの対応力にも定評があります。2019年に発覚した“闇営業問題”では、宮迫博之さんらが所属していたにもかかわらず、その後の対応を迅速に行い、事務所としてのリスク管理能力の高さが問われました。また、スキャンダルを他のニュースでカバーする“情報の入れ替え”が行われたとも囁かれており、事務所がいかにメディアに対して影響力を持っているかが浮き彫りになりました。
2020年代以降は、YouTubeや劇場、アジア展開といった多角化にも取り組んでおり、芸人が独立しても“吉本ブランド”に依存せずに生き残れるような教育体制も整備されつつあります。このように、吉本興業は単なるタレント事務所を超えて、芸能産業のインフラとも言える存在に成長しています。今後もその存在感は衰えることなく、業界の中心に君臨し続けると考えられます。
アミューズと上場企業の強さ
アミューズは、日本の芸能事務所の中でも特異な存在であり、上場企業としての信用力と運営体制を持つことが、他の芸能プロダクションにはない大きな強みです。一般的な芸能事務所は非上場が多く、収益や経営の透明性が見えにくい傾向にありますが、アミューズは財務諸表の開示義務があるため、その信頼性は他の事務所と比較しても格段に高いといえます。
この企業の特徴としてまず挙げられるのが、多くのアーティストや俳優を抱えるマルチな展開です。サザンオールスターズ、福山雅治さん、星野源さんなど、日本の音楽界を代表するアーティストが所属しています。また、吉高由里子さん、吉沢亮さん、神木隆之介さんといった俳優陣も多数在籍しており、音楽と映像の両軸で強い影響力を保っています。
アミューズはライブ事業や映像配信など、タレントの活躍の場を広げるビジネスモデルを採用しています。特にライブに関しては、全国ドーム規模のツアーを複数同時に運営できる体制を整えており、その収益性の高さと運営力が際立ちます。また、ライブ映像の配信権やグッズ展開といった二次利用においても、早い段階から戦略的な取り組みを行ってきました。
さらに、コンプライアンス体制がしっかりしている点も特徴的です。内部通報制度「アミューズクリーンライン」を導入するなど、企業としてのガバナンス強化に努めています。これは芸能事務所としては極めて珍しい取り組みであり、所属タレントの信頼を集める理由にもなっています。
一方で、所属タレントの独立や退所も一定数見られます。たとえば佐藤健さんや神木隆之介さんは独立を選びましたが、その際もアミューズが出資する新会社を設立する形となっており、対立ではなく支援型の独立という形をとっています。この対応は、他事務所とは異なる寛容で持続的な関係づくりを意識している表れといえるでしょう。
このように、アミューズは芸能と企業経営の両立を図るモデルケースのような存在です。タレントのキャリア設計を支えるインフラを持ちつつ、上場企業としての透明性を確保することで、業界内でも高い安定感を誇る存在となっています。
エイベックスと音楽業界の支配
エイベックスは、音楽業界において絶対的な影響力を築いてきた企業の一つであり、その成り立ちから現在に至るまで、音楽とエンターテインメントの融合によって市場を牽引してきました。設立当初は輸入レコードの卸業というニッチな分野から始まりましたが、自社でアーティストを発掘・育成し、次々とヒットを飛ばすことで一気にメジャーシーンの中心に躍り出たのです。
特に1990年代から2000年代前半にかけては、TRF、globe、安室奈美恵さん、浜崎あゆみさんといった時代を象徴するアーティストを次々に輩出し、チャートの上位を独占することも珍しくありませんでした。エイベックスは単なる音楽制作会社ではなく、アーティストのビジュアル戦略、メディア露出、タイアップ先との連携などを一体化してプロデュースする体制を築いたことが、その成功の鍵となりました。
同社はまた、音楽以外にも映像、ライブ、グッズ販売、さらにはアニメ分野への進出など多角的な収益構造を持っています。ライブイベントに関しても、他社がまだ配信事業に本腰を入れていない頃から、エイベックスはインターネット配信やグローバル展開に取り組んでおり、その先見性が高く評価されています。
一方で、2000年代後半からは経営体制の変更や所属アーティストの退所なども続き、かつてのような全盛期の勢いには陰りも見え始めました。中でも浜崎あゆみさんの活動縮小や、松浦勝人さんの経営からの距離など、象徴的な出来事がいくつか重なったことが影響しています。ただ、こうした変化を乗り越えるために、エイベックスはアニメやVTuber関連の新規事業、海外向けの日本音楽輸出戦略など、次世代に向けた取り組みも加速させています。
さらに、東証一部に上場していることもあり、投資家や一般消費者に向けて一定の透明性と安定性が求められています。これにより、事業拡大には制約もありますが、反面、組織としての信頼度やスキャンダル対応の堅実さにもつながっており、大手芸能企業としてのブランドを保つための強みとなっています。
このように、エイベックスは単なる音楽事務所ではなく、総合的なエンタメ企業として音楽業界全体に強い影響を与えてきました。時代の変化とともに形を変えつつも、業界内での支配力は依然として健在です。今後もその動きには注目が集まり続けるでしょう。
スターダストと新勢力の台頭
スターダストプロモーションは、俳優やアーティストの育成に強みを持つ芸能事務所として、ここ十数年で確かな地位を築いてきました。その特徴は、スカウトとオーディションに力を入れ、才能の原石を見つけて時間をかけて育てる体制にあります。もともと創業者の細野義朗さんがモデル事務所や芸能プロモーターとしての経験を活かして設立し、地道に規模を拡大してきました。
特に注目を集めたのは、俳優部門の充実です。北川景子さん、山田孝之さん、岡田将生さん、横浜流星さんなど、ドラマや映画に欠かせない存在が数多く所属しており、実力派としてのブランドイメージを確立しました。また、ももいろクローバーZやDISH//といったアーティスト系ユニットの成功も、音楽・ライブ分野への展開に成功した象徴といえます。
このようにスターダストは、ジャンルを限定せずに幅広く人材を育てており、特に10代~20代を中心とした若手俳優やアーティストに強みがあります。これは、テレビだけでなく映画や舞台、さらには配信プラットフォームでの活躍を見据えた戦略的な取り組みの結果ともいえます。
一方で、スターダストは「ドン」的存在が表に出ることはなく、組織全体でブランディングやマネジメントを行うスタイルを重視しているのも特徴です。このような運営方針は、古典的な芸能界の“上下関係”とは一線を画すものであり、新しい時代に即した事務所の姿とも捉えられています。
また、近年の芸能界では、SNSや動画配信サービスを通じて人気を得た人物が事務所に所属せず個人で活動するケースが増えています。そうした中で、スターダストのように地道にスカウトと育成を行いながら、新しいメディアの活用にも柔軟に対応する事務所は、旧来型の大手プロダクションとは異なる「新勢力」としてのポジションを築きつつあります。
現在の芸能界は、多様な価値観やライフスタイルに応じたタレントの活躍が求められている時代です。その中で、スターダストは新たな世代に支持される“時代に合った事務所”として今後も注目を集めていくことが予想されます。
芸能界の独立リスクと圧力構造
芸能人が事務所を独立する際には、大きな期待と同時に重大なリスクが伴います。特に日本の芸能界では、独立が単なる転職にとどまらず、その後の活動に大きく影響を与える場合があります。その背景にあるのが、いわゆる“圧力構造”と呼ばれる業界特有の力関係です。
長年続く芸能界の慣習として、大手芸能事務所がメディア、広告代理店、テレビ局と強固な関係を築いてきたことがあります。これにより、所属タレントが番組やCMに出演する枠を確保できる一方で、事務所の意向に背く動きには何らかの制裁的な動きが取られるケースもあります。たとえば、人気タレントが独立した直後にテレビ出演が激減したり、スキャンダルが過剰に報道されるといった例が指摘されてきました。
具体例として語られることが多いのが、SMAP解散の一件です。所属していた旧ジャニーズ事務所との軋轢が背景にあり、グループ内の数名が独立を希望した際には、移籍交渉の行方が週刊誌で取り上げられ、ファンの間で大きな波紋を呼びました。このときに移籍先候補として名前が挙がったのが田辺エージェンシーだったことからも、独立後の「受け皿」の存在もまた重要な要素とされています。
また、若手タレントが個人事務所を立ち上げる例も増えていますが、そうした動きに対して、旧所属事務所との関係を円満に保てなければ、番組出演やイベント企画などで不利になる可能性もあります。特にテレビ業界では、タレントを起用する際に事務所のバックボーンを重視する傾向が根強く、個人では対応しきれないリスクが残るのです。
一方で、SNSやYouTubeの普及により、旧来の圧力構造に頼らなくても人気を得られる道も確立されつつあります。フォロワーが多ければスポンサーがつきやすくなり、従来の芸能事務所を通さずとも一定の収入や露出を確保できるようになりました。ただし、それでもテレビや大手広告案件などには既存の構造が色濃く残っているため、完全に独立して成功するには多くの戦略が必要です。
こうして見ていくと、芸能人の独立はキャリアの新たなステージである一方、目に見えない圧力や業界内の力学を正しく理解していないと、不測の事態に巻き込まれる危険もあります。そのため、独立を考える際は、マネジメント体制の構築や信頼できるスタッフの確保など、周到な準備が欠かせません。芸能界の独立には、自由と同時に重い責任が伴うのです。
芸能界の本当のボスを理解するための総まとめ
- 芸能界のドンとされる人物は主に4人存在する
- 周防郁雄さんは報道統制力で影響を拡大した
- 田邊昭知さんは信頼と人脈で裏方から支配力を持つ
- 岡本昭彦さんは芸人を武器に吉本興業を拡大させた
- 堀威夫さんは非上場再編と人材育成で影響を与えた
- 芸能界のトップは業界全体への影響力で判断される
- バーニングと吉本が現在の二大支配勢力とされている
- 上場企業のアミューズは経営の透明性で信頼を集める
- エイベックスは音楽プロデュースと多角経営で強さを示す
- スターダストは若手育成と多分野展開で台頭している
- タモリさんや明石家さんまさんは個人でも高い権力を持つ
- 報道と芸能事務所の距離感が業界の不透明性を生んでいる
- 圧力構造により独立タレントは活動制限を受ける場合がある
- SNSの台頭で事務所に依存しない活躍も広がってきている
- 芸能界の勢力図は時代と共に変化し続けている